トランプ大統領を支持→キリスト教「福音派」とは？
アメリカ合衆国は、その歴史的成り立ちからして、キリスト教の影響を強く受けている国です。
特に、キリスト教の中でもいわゆる「福音派」は、政治的にも強い影響力を持っており、アメリカで最大の宗教勢力になっています。
1.福音派とは
ちなみに福音派とはどのような宗教団体なのでしょうか。
福音派はキリスト教のうちの、プロテスタントの中の一つの教派です。
聖書そのもの教えを重視しており、聖書は誤りのない神の言葉を記した書物と信じています。進化論を否定し、人間は神による創造によって造られたことを固く信じています。
また、人工妊娠中絶は殺人とみなされるとして、反対を唱えていますし、同性婚にも反対しています。
去年亡くなりましたが、ビリーグラハムという有名な伝道師は、この福音派のシンボル的な存在でした。日本にも度々訪れています。
歴代大統領との親交もあり、トランプ大統領とも親密で、ビリー・グラハムの後継者である息子ともかなり親密な関係を持っています。トランプ大統領を選挙戦で後押ししたのも、この福音派でした。
また、1980年に共和党のレーガンが大統領になれたのはこの福音派の強い支持があったからだとされ、その頃より、福音派という存在が注目されるようになりました。
2.福音派は共和党を支持
このように、福音派は、政治的には、保守派の共和党を支持政党として来ました。
福音派としては共和党を全面的に支持しているわけではありませんが、民主党に比べると自分たちの信条に沿って政治活動をしてくれるという点で、応援しているのです。例えば福音派がずっと反対している人工妊娠中絶問題においても、共和党はその主張を受け入れています。
そして福音派が嫌うもう一つの事は、環境規制という問題です。
これはすぐには理解できないですが、福音派としては環境規制は宗教的価値観に反すると考えるようです。
そのため、環境汚染を引き起こしている石油会社などの大企業とは、手を組んでいます。
トランプが中々環境汚染に対して及び腰なのも、この福音派との関係を壊したくないという理由があるようです。
3.福音派はイスラエルを支援
また福音派は、イスラエルを支援していることでも知られています。
福音派は、旧約聖書の記述から、ユダヤ人を支援しなければならないと解釈し、イスラエルを支援しているのです。
２０１８年にはイスラエルのテルアビブにあったアメリカ大使館を、ほぼ強引にエルサレムに移転させました。
これは１９９５年のクリントン大統領時代からの構想なのですが、トランプ大統領がそれを実行に移したという形になりました。
実のところ、福音派の支持を重要と考えている証左なのかもしれません。
4.ビリー・グラハムの講演をお聞きください
