イエス・キリストをより良く知るために

BIOSとZOE,「救い」のメカニズム

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ここに掲載している記事は毎週の礼拝で受ける恵メッセージの中でも特に教えられ感銘を受けたものをとりあげています。自分の霊の糧として、あるいは友人と分かち合いたいという願いから、また是非心に留めておきたいという想いから、BLOGという体裁を取らせていただきました。

(1)BIOSからZOEへ

BIOSビオス=自然から生ずる生物的生命 ZOEゾーエ=霊的生命、神の子
常に衰え朽ちてゆく傾向を持ち、そのために空気や水や食物といった形で絶えず自然から補給を受けることによって、はじめて生存していける生命。 永遠の昔から神の内にあり、全自然界を造った霊的生命。
創造によるのではなく、神によって生み出された生命。
この自然的生命は、自己中心的であり、他人から尊敬されたいと願い、他者の生活を食い物にし、全宇宙さえも利用しようとするもの。そして他から干渉されることを嫌う。
自分よりもっと善いもの、強いもの、あるいは高いもの、つまり自己を卑小と感じせしめるような一切のものからなるべく遠く離れていようとする。
そして霊的世界の光や空気を怖れる。

BIOSを持っている状態から、ZOEを持つ状態に変わること、これがキリスト教の中心です。それは例えば、彫刻された石の状態だった「彫像」が、本物の「人間」になるくらい大きな変化なのです。

 

ところが、BIOSの状態にある人間は、ZOEの状態になることは嫌だと考えて拒否します。
なぜなら、それは自己中心的な考え方を捨てることであり、他人からの賞賛を失うことであり、自己増大を諦めることだから。自分よりもっと善いもの、強いもの、あるいは高いものの存在を少なからず感じつつ、それは自己否定につながることとして遠ざけるのであります。

そこで神様は次のような方法を取りました。
①BIOSなる人間も神の子となり、霊的生命を持つ者なること、つまりZOEになることを可能ならしめるために、「神の子キリスト」は、本来の霊的生命を内に保ちつつも、みずから一人の現実の人間(生物的生命)になられた。

この人は本来、BIOS(生物的生命)的存在

 

しかし、

この人にZOE(霊的生命)を持つことを可能ならしめるために・・・→

本来ZOE(霊的生命)を持つ神の子イエスは、

 

 

→みずから一人の現実の人間BIOS(生物的生命)になられた

これはどういうことかといえば、
全宇宙を創造したもう神なる御子が、女の肉体の中の胎児となり、乳児となり、特定の背丈、特定の髪の色を持ち、特定の言語を話し、何キログラムかの体重を持ったBIOS、つまり生物学的生命を持つ者として、この世に生まれ成長した。これはつまり、彼の内にある、彼の母から受け継いだ造られた生命(BIOS・生物学的生命)が、神から生まれた生命(ZOE・霊的生命)に完全に変えられたことを意味する。言い換えると、彼の内なる自然的・生物学的人間は神の子の内に完全に引き入れられたのでした。
このようイエスキリストの実例を前にして、私達人間が創造された目的は何なのか?本当の人間らしさがなんであるか?ということを具体的に示されたと言えるのではないだろうか。

②また、私達BIOS的人間にとって、ZOEに変化してゆく、またはZOEを取り入れてゆく上で、最も困難なことは、さきに挙げたBIOSの特性(自己中心の性質など)を、ある意味で殺さなければならない点であります。
そこで彼(イエス・キリスト)は、ことごとに御自分の人間的(BIOS的)欲望を殺さねばならないような地上の生活を選ばれたのです。つまり貧困、家族の誤解、親しい友達の一人に裏切られ、人々からあざけられ、官憲に虐待され、そして最後には拷問による死刑に処せられるという生活を選んだのでした。

人々はイエスを神の子と認めず否定して、ついには十字架上で殺すに至ったのですが、その後、彼の内なるBIOS(生物的人間)は、それが神の子と結合していたゆえに、再び生命を回復したのでした。キリストの内になる人間が復活したのです。彼の内にある神が復活しただけではありません。ここに私たちは初めて本当の人間、つまり「罪のない完全なBIOS(生物学的生命)+完全なZOE(霊的生命)」を見たのでした。

(2)キリストの影響

①キリストがこの地上に誕生した時から、全人類に影響を与え始めた

私達人間は、子供―両親―祖父母―曾祖父母・・・とつながって存在しています。個々の人間は他のすべての人と結びついていて、離れていないのと同様に、実は神からも離れていないのです。
世界中の男も女も子供も皆、神がいわば彼らの「生命をつないで」いればこそ、今この瞬間、何かを感じたり呼吸したりしているのです。

ですから、キリストが人間になるということは、キリストがこの地上に誕生した時から、全人類に影響を与え始めたということになるのです。そしてその影響が、全人類に広がって行くのです。

それはキリスト以後の時代に生きる人々に対してだけではなく、キリスト以前の時代の人々、また、キリストについて何も聞いたことのない人たちにさえ相違を生じさせる。なぜなら神であるキリストには、時間的制約がないからです。

②キリストがもたらした相違

1.私たちが神の子となり、BIOSから「罪のない完全なBIOS(生物学的生命)+完全なZOE(霊的生命)」に変えられる。
2.時間的BIOSから非時間的ZOEに移る。

私たちはその救いを自分の物にしなければならない。これは本当に困難な仕事のはずです。

(3)まとめ

原理的に言えば、人類はすでに「救われて」いるのです。

BIOSからZOEに至るための「救い」という御業は、すでに私達のためにやってのけられたのです。

ですから、もし私達が、霊的生命に満ちた、そして神でありながらしかも本当の人間であったあのキリストに向かって私達の心を開きさえすればよいのです。キリストに近づき、彼から「良い感染」を受けて、そのZOE・霊的生命を得ることができるのです。

つまり、私達は自分の力でZOE・霊的生命の高みにまで、登ろうと努力する必要はありません。
ZOE・霊的生命=イエス・キリストの方から、私達、人間の間に降りてきてくださったのですから。

参照文献:CSルイス「キリスト教の精髄」から

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