第一列王記7章38~51節 清めを備える神殿と、受け継がれる御国の働き
説教要約
Ⅰ.導入 ― 完成まで長い時間がかかる働き
ソロモンの神殿建設は、一朝一夕ではなく、膨大な準備と長い年月、そして多くの人の労苦によって完成しました。
私たちの教会形成・御国の働きもまた、すぐに姿が見えるものではなく、忍耐を要する長期的な働きです。
そこで本日は、
1)清めを備える神殿の器具
2)最高のものを主にささげる姿
3)世代を超えて受け継がれる神の働き
この三点から、私たちへの語りかけを受け取りたいと思います。
Ⅱ.第一のポイント:清めを備える神殿 ― 洗盤と「海」
-
ヒラムが造った器具
ヒラムはツロの青銅職人であり、ソロモンに召されて数々の青銅の器具を作りました。
彼は10個の洗盤とその台、大水槽「海」、さらに灰壺・十能・鉢を造り、神殿の礼拝設備を整えました。
洗盤1つの容量は40バテ、約920リットルにもなる大きな水槽で、10個も設置されました。
「海」と呼ばれる大水槽は、十二頭の牛の像の上に置かれ、祭司が身を清めるために用いられました。
-
洗盤と「海」の役割―礼拝の前提は「清め」
-
洗盤:民がささげる生贄や捧げ物を洗い清めるための水。
-
海:祭司自身が身を洗い、神の前に立つために用いる水。
幕屋の時代には洗盤は一つでしたが、神殿では10個に増やされ、大きさも格段に大きくなっています。
これは、礼拝と「清め」の重要性が一層強調されていることを示しています。
-
今日への適用―キリストにあって備えられた清め
今の私たちは、羊や牛をささげる必要はありません。
主イエス・キリストが、十字架でただ一度、完全な犠牲としてご自身をささげてくださったからです。
しかし、「聖なる神の前に出る者は、整えられていなければならない」という原則は変わりません。
礼拝に臨む前に、自分の心を省み、罪を告白し、赦しを受け取り、ふさわしく整えられることが求められています。
Ⅲ.第二のポイント:最高のものを主に ― ヒラムとソロモンの奉仕
-
ヒラムの献身的な働き
ヒラムは、磨きをかけた青銅を大量に用いて、柱、柱頭、格子細工、ザクロの飾り、洗盤、台、海、諸用具を丁寧に作りました。
青銅の量はあまりに多く、重さを測ることができなかったほどだと記されています。
そこには、単に仕事としてこなす職人の姿ではなく、「主の宮のために最高のものをささげたい」という信仰者としての姿勢が見て取れます。
-
ソロモンの奉仕と純金の器具
ソロモンは、神殿の内部、特に至聖所に近いところに置かれるものを、すべて純金で作らせました。
金の祭壇、供えのパンの机、右に5つ左に5つ置かれた金の燭台、金の皿、芯切りばさみ、鉢、平皿、さらには扉の蝶番に至るまで純金でした。
それは、
-
神殿が「神の栄光の現れる場所」であること
-
神の臨在の近くに置かれるものには、最も尊いものがふさわしいこと
を表しています。
-
今日への適用―私たちの「最高のもの」を主に
私たちは金や青銅の器具を作るわけではありませんが、
-
自分の時間
-
賜物(能力)
-
経済
-
労力
といった「最も大切なもの」を、主にささげることができます。
「余りもの」ではなく、主のために意識して最良のものをおささげするとき、
その心こそが、神殿建設において示された信仰とひとつにつながっていきます。
Ⅳ.第三のポイント:世代を超えて受け継がれる神の働き
-
ダビデからソロモンへのバトン
第一列王記7章51節はこう締めくくります。
ソロモンは父ダビデが聖別したもの、金・銀・各種の用具を主の宮の宝物倉に納めました。
神殿建設を一番願っていたのはダビデでしたが、神は「建てるのはあなたではなく、あなたの子である」と語られました。
ダビデは、自分で完成を見ることは許されませんでしたが、
-
資材を整え
-
設計図・計画を用意し
-
必要な献げ物を「聖別」して蓄え
後の世代に託しました。
-
私たちと次の世代
私たちもまた、教会や御国の働きの「完成」をこの地上で見ることはできないかもしれません。
しかし、
-
子どもたち
-
孫たち
-
まだ教会に戻ってきていない人たち
が、いつでも立ち返ることのできる「場所」と「道」を備えておくことはできます。
そのために、
-
祈りを蓄え
-
御言葉を語り続け
-
信仰の模範を残し
-
教会を整え維持し
-
必要な働きや仕組みを準備しておく
という形で、後の世代にバトンを渡すことができます。
-
神ご自身が完成させてくださる
ピリピ1章6節には、「あなたがたの間で良い働きを始められた方が、キリスト・イエスの日までにそれを完成させてくださる」との約束があります。
私たちの目には未完成であっても、神は始めたわざを決して途中で投げ出されません。
だからこそ、
-
「完成を見ること」に執着するのではなく
-
「忠実にバトンを渡すこと」に集中する
これが、ダビデとソロモンから教えられる信仰者の姿です。
Ⅴ.結び ― 適用と祈り
-
適用の問いかけ
-
私は礼拝に臨むとき、どのように心を整えているか。
-
私は主に、自分の「最高のもの」をささげているか、それとも余りものをささげているか。
-
私の周りの次世代(子ども・孫・若い世代)が、いつでも戻ってこられる「場所」と「道」を、私はどのように備えようとしているか。
神殿建設は、
「清めの備え」
「最高の献げもの」
「世代を超えた継承」
という三つの柱で支えられていました。
同じように、私たちの教会と家庭の信仰も、
-
日々の悔い改めと整え
-
喜んでささげる心
-
次世代への祈りと備え
によって建て上げられていきます。
-
祈り
天の父なる神様。
ソロモンの神殿建設の記事を通して、
あなたがどれほど聖く、栄光に満ちたお方であるかを教えてくださり、感謝します。
どうか私たちが、
礼拝のたびごとに、自分の心を点検し、
キリストの十字架による赦しの恵みにあずかりつつ、
ふさわしくあなたの御前に近づく者とならせてください。
また、ヒラムやソロモンのように、
与えられた賜物と時間と持ち物を、
惜しみなくあなたにおささげすることができるよう、
私たちの信仰を新たにしてください。
さらに、ダビデがそうしたように、
私たちも次の世代のために備え、
祈りと証しと奉仕を通して、信仰のバトンを渡す者とならせてください。
あなたが私たちの間で始められた良い働きを、
キリスト・イエスの日までに必ず完成してくださることを信じ、
この祈りを主イエス・キリストの御名によっておささげします。
アーメン。