人工妊娠中絶を合法化した「ロー対ウェード裁判」とは?
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ここに掲載している記事は毎週の礼拝で受ける恵メッセージの中でも特に教えられ感銘を受けたものをとりあげています。自分の霊の糧として、あるいは友人と分かち合いたいという願いから、また是非心に留めておきたいという想いから、BLOGという体裁を取らせていただきました。
「中絶禁止法」違憲判決
そもそも、1970年くらいまでは、アメリカの殆どの州では人工妊娠中絶が禁止されていました。しかし、1970年に、テキサス州でノーマ・マコービーさんという女性が、妊娠中絶の権利を求める裁判を起こしたのです。
本名は明かさず、ジェーン・ローという仮名で原告となりました。
ジェーン・ローは、「中絶の権利は女性の基本的な権利である」と主張し、一方ダラス地方検事のヘンリー・ウェードは、「中絶を禁止することで、女性の体と胎児の生命を守る事は州の義務である」として対立しました。(それで、「ロー対ウェード裁判」という名称がついたのです。)
しかし、連邦地方裁判所が、「中絶のほとんどを犯罪とするテキサス州法は、違憲である」という判決を下し、ジェーン・ローの主張を支持しました。
その後1973年には連邦最高裁判所もこの判決を支持たのです。
つまり、中絶禁止法は違憲であるという結論に達し、それまでかなり厳しく中絶を禁止していたアメリカでは、条件はあるものの人工妊娠中絶が合法化されたのです。
「中絶禁止法」は合憲とすべきとする主張
しかし、これに反対する人たちも多く、アメリカでは国を二分する論争が巻き起こっています。とくに現在、アメリカの保守派の多い州では、前述の違憲判決にもかかわらず、人工妊娠中絶禁止法が続々と可決されています。特にアラバマ州での中絶禁止法はかなり厳しいものになっています。
そして、「ロー対ウェード裁判」での、違憲判決に反対する運動家も大勢います。彼らは、この違憲判決を、再び最高裁で覆す、つまり「中絶禁止法」は合憲であるとの判決に至らせることを目指しています。
トランプ大統領は、自分も中絶禁止に賛成していることを宣言し、宗教保守派を味方につけている形になっています。2020年の再選を目指しているトランプにとっては、宗教保守派の票を獲得することは、かなり重要なことだからです。その後のノーマ・マコービーさん↓
その後のノーマ・マコービーさん
ところで、「ロー対ウェード裁判」の原告だったノーマ・マコービーさんは、中絶の権利を主張する人たちのシンボル的存在でした。しかしその後、その後中絶を禁止を求めていた福音派キリスト教団体と交流を持つようになり、2017年69歳で亡くなるまで、その立場を180度変えて、中絶反対派の熱心な活動家となりました。
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